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酒精強化ワインだけじゃない?!近年注目のポルトガルワイン

ピノ

WSET Level2,3取得|WSET Diploma勉強中|一児の母、夫婦で1日ボトル2本は空けるほどワイン好き|年間300日以上飲んでます|毎日の食卓と時間がより楽しく豊かになるようなワインと、WSETやソムリエ試験で使えるネタを紹介しています。

酒精強化ワインだけじゃない?!近年注目のポルトガルワイン年明け早々、ポルトガルのリスボンに海外出張をしている夫。

夫も趣味がワインなので、たくさん写真を送ってと伝えたところ、初日からいろいろな写真を送ってきてくれました。

実は私、記憶している限りではポルトガルのスティルワインってほとんど飲んだことがないんです。

ポルトガルといえば、ポートワインとマデイラでしょ!という感じなのですが、この近年スティルワインにも力を入れていて、マスターオブワインで有名なジャンシス・ロビンソンも今後最も期待できるワイン産地に「ポルトガル」を挙げているほど。

ポルトガルの地形・気候

ポルトガルは、ヨーロッパの南西端に位置し、南北560km、面積は92,000 平方キロメートル超と比較的小さな国でありながら、さまざまな気候や地形を持っています。左側に面した大西洋の穏やかな影響は内陸部に向かうほどなくなり、徐々に乾燥した大陸性の気候が顕著になります。北部はテロワール重視の赤ワインと白ワイン、南部と中部はなだらかな平野が広がるため、芳醇で熟した親しみやすい赤ワインが特に有名です。

出典:https://www.wincle.com/winesofportugal/portugalwine/wine-regions/index.html

上記の地図のように、ポルトガルではほぼ国の全土でワインが作られていますが、主要な産地として挙げられるのは、ヴィーニョヴェルデ、ドウロ、ダン、バエリャーダ、アレンテージョの5つの地域です。

ヴィーニョ・ヴェルデ

ヴィーニョ・ヴェルデは、ミーニョ川とスペインとの国境に囲まれた広大なミーニョ地方で生産されています。

大西洋の偏西風が大量の雨をもたらすので、収量が上げる一方で腐敗のリスクが高くなります。ぶどうの木は花崗岩質の土壌に植えられ、腐敗を抑えるのと混農のためのスペースを確保するために、伝統的にパーゴラの上に高く植えられています。

ヴィーニョ・ヴェルデの「ヴェルデ」は、「新鮮で若々しい」という意味で「緑」を意味すしますが、赤、ロゼ、スパークリングワインもあり、ブランデーも造られているんです!

白のヴィーニョ・ヴェルデは麦わら色で、微発泡性、軽いボディと鋭い酸が特徴です。かつては、ワインの濁りを隠すために不透明な瓶を使い、瓶の中でマロラクティック発酵させることで発泡性を得ていました。現在では、人工的な炭酸ガスが発泡の原因となっています。

赤のヴィーニョ・ヴェルデは、濃い紫色で、ボディは軽く、タンニンがあり、収斂性があります。品種やブレンドによって、味わいの特徴は異なります。

ドウロ

ドウロといえば、ポートワインの産地として有名で、ドウロDOCがその名を知られるようになったのは実は近年になってから。実はテーブルワインもこの地域の生産量の約半分を占めるようになってきています。

ドウロ渓谷はマラオ山やモンテムロ山によって大西洋から守られているため、その上流は沿岸部よりもはるかに乾燥しており、夏は暑く、冬は寒いのが特徴です。

ポートワイン用のブドウ畑は片岩土壌に、テーブルワイン用のブドウ畑は花崗岩土壌に植えられる傾向があります。一般的に、テーブルワインはポートと同じ品種から造られ、特にトゥリガ・ナシオナル、トゥリガ・フランカ、ティンタ・バロカ、ティンタ・ロリス[テンプラニーリョ]が有名です。

白ワインも少量生産されており、主にグヴェイオなどのポートワイン用白品種から造られるワインは、標高の高い畑で造られたものが最高品質と言われています。ドウロの赤ワインは、熟した果実、ハーブ、コショウのようなスパイスの香り、フルボディ、しっかりとしたタンニン、生き生きとした酸味があり、ポートワインを連想させます。

ダン

ポルトガル北中部、ドウロの南側に位置するダン。ほとんどのブドウ畑はダオ川に沿って植えられています。この地域は、セラ・ダ・エストレラ、セラ・ド・カラムロ、セラ・ダ・ナーヴェの花崗岩の山脈に三方を囲まれており、気候は温暖で、夏は長く乾燥し、冬は湿潤です。

最高のブドウ畑は標高150~450メートルの高地にあり、岩石質の土壌、日当たりの良さ、風通しの良さ、日中の気温の幅の広さが作物に有利な条件となっています。

赤ワインは生産量の大半を占め、トゥリガ・ナシオナル、ティンタ・ロリス(テンプラニーリョ)、ハエン(メンシア)、アルフロシェイロ・プレトなどをブレンドして造られることが多いです。

ダオの赤ワインは過度にドライでタンニンが強いものの、発酵と樽熟成の期間を短くすることで、よりフレッシュでフルーティなスタイルになっています。

ベイラーダ 

ベイラーダはダオの西に位置し、ポルトガル語で「粘土」を意味する「バイロ」から名付けられている通り、石灰岩を多く含む粘土質土壌が特徴です。この地域は小規模な生産者によって支配されており、そのため平均的なブドウ畑の面積も0.3haと非常に小さいです。

主要かつ代表的な品種のバガは晩熟タイプで、秋の早い時期(収穫前)に降る雨は、腐敗リスクがあるため、早めの収穫が必要となります。

バガのワインはカシス、ピーマン、タバコの風味と、色が濃く、酸味・タンニンが非常に強いのが特徴です。そのため、ソフトな味わいを演出するためにトゥリガ・ナシオナルやメルロとブレンドすることがあります。

最高級のものは、熟成によってかなり複雑な味わいになることもあります。

アレンテージョ

アレンテージョは、ポルトガル南東部に位置する非常に大きなDOC。他のポルトガルのような小規模生産者ではなく、大規模生産者が作るワインが特徴的です。

気候は暑く、乾燥しているおり、起伏のある平原は、花崗岩、片岩、粘土など、さまざまな土壌を呈しています。

アレンテージョは、ソフトでリッチな赤ワインが有名になりつつあります。黒品種のトリンカデイラで作るワインは濃く、ジャムのようで、酸とアルコールは高く、ラズベリー、プラム、ハーブ、チョコレート、コーヒーの香りが特徴的です。

シラーやカベルネ・ソーヴィニヨンなどの国際品種も、地元の品種と一緒に栽培されており、またあらゆる種類のブレンドが一般的です。

参考にした書籍はこちら

WINE & Blind Tasting:世界のワインのそれぞれの特徴が詳しく書かれていて勉強になります。

ポルトガルワインをもっと知りたい方向けにポルトガルワインアカデミー主催の無料オンライン講座があります。なんと日本語受講も可能!

現地で実践!ポートワインを使ったカクテル

夫曰く、スティルワインの他にもポートワインを飲む機会も多いようですが、カクテルにしたところ美味しかったと教えてもらったレシピがこちら。

レシピ

  • ポートワイン(赤でも白でもOK)
  • トニックウォーター
  • ライム(ミントでも可)

ポートトニックと言われる、ポートワインとトニックウォーターを割って飲むカクテルです。白ワインでも代用可能で、お好みでライムやミントを添えても美味しそう!飲みきれなかったポートワインもカクテルにすると、楽しみ方が広がりますね~!

ポートワインといえば、グラハム。グラハムのトゥニー10年は褐色がかっていて、外観も美しい。口当たりがまろやかで、ブランデーのような後をひかない甘さだそうです。日本でも買えるのが嬉しい!

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