【赤ワイン】キャンティ・クラシコとは?キャンティとの違いについても解説

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2021年に、キャンティ・クラシコにて11のサブリージョンが導入されたという、大きなニュースがありました。

これにより、グラン・セレツィオーネに11の村名がUGA(Unita Geografiche Aggiuntive=追加地理的単位)としてラベルに記載できるようになります。

本記事では、キャンティ・クラシコの基本知識について解説します。

目次

キャンティ・クラシコはトスカーナ州キアンティ地方で造られる赤ワイン

トスカーナというよりも、フィレンツェのある州といった方がイメージつきやすいでしょうか。

キャンティ地方は、ピエモンテ州と並ぶイタリア屈指のワイン産地として知られ、なだらかな丘陵地帯に広大なブドウ園が一帯に広がっています。

その中でもキャンティ・クラシコは、キャンティ地区よりも標高の高いところで造られています。

キャンティとキャンティ・クラッシコの違い

キャンティとキャンティ・クラッシコ、同じキャンティとついていますが、実はそれぞれ独立したDOCGなのです。

キャンティDOCGは1984年に、キャンティ・クラッシコは1996年にDOCGとして認定されました。

では、なぜこのような区別がつくようになったか、そこには歴史的な大きな背景があります。

14世紀から注目を集めていたキャンティ

キャンティの歴史は、14世紀まで遡ります。

キャンティは、プラートという街でぶどう栽培が始まり、フィレンツェの貴族や、リカゾーリ家によって広められました。すでにキャンティの名はロンドンまで届いているほど有名だったと言われています。

このような背景から、キャンティ地方で造られているワイン以外にも「キャンティ」として売られるなど、偽物ワインの横行が問題になっていました。

そこで、この問題を解決すべく、1716年にトスカーナ大公のコジモ3世が、キャンティとして名乗っていい地域を限定する法律を定めたのです。

この時にキャンティとして名乗って良いと指定されたエリアが、(ほぼ)現在のキャンティ・クラッシコDOCGです。

しかし、キャンティ・クラッシコとして法律が定められても、その後キャンティとして名乗っていいエリアは拡大していきました。

キャンティ・クラッシコの独立のきっかけの一つとなったのが、1872年にペッティーノ・リカーゾリ男爵によって考案されたブレンド法です。

キャンティはサンジョヴェーゼ主体の赤ワインですが、それまで固くて飲みづらかったサンジョヴェーゼを、リカーゾリ男爵は「サンジョヴェーゼ70%、カナイオーロ20%、マルヴァジア(白)10%にブレンドすべき」と定めたのです。

これによって飲みやすい味わいとなったキャンティは、大衆の支持を集め若いうちから楽しめる気軽なワインとなりました。そして、このブレンドの割合は約100年ほど続きます。

その後、キャンティは1967年にDOGとして認定されます。

しかしこの時は、リカーゾリ男爵の公式を元に品種別の栽培面積の比率だけが決められており、細かな混醸率の定めはありませんでした。これによって、生産者が自由にキャンティを造り出すようになったのです。

ピノ

いかにもイタリア人らしいですよね。

その後大量に収穫できる白ぶどう・トレッビアーノの割合を増やす生産者が増え、早飲みタイプのワインが主流となっていきました。

このようなキャンティの品質低下に危機感を抱いたのが、昔からキャンティを造っていた生産者たちです。

1924年、33の生産者たちが自分たちのワインを守るべく、キャンティ・クラシコ協会(品質保護協会)を設立します。

その後1967年にキャンティDOCGが認定されるのですが、これを機にフィレンツェとシエナの歴史的なエリアに限り「クラッシコ」表記が可能になりました。

1996年、遂にキャンティ・クラッシコはキャンティから独立。晴れてキャンティ・クラッシコDOCGとして認定されたのです。

キャンティ・クラッシコは白ブドウ品種のブレンドは禁止され、サンジョヴェーゼの80-100%の使用、及び許可された黒ブドウ品種のブレンドも20%まで認められることとなりました。

加速する差別化の動き

2010年以降は、キャンティ・クラッシコの生産地域内でのキャンティの生産が禁止され、差別化の動きが激しくなってきました。

例えば、2013年には、キャンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネという格付けが制定されました。

この規定では、
①自社畑のブドウだけを使用すること
②熟成期間は最低30か月以上
③最低アルコール度数13%
が定められています。

非常にハードルが高く、現在154のワイナリーで合計182銘柄と、現在のところ全体の6%しか認定されていません。

グラン・セレツィオーネに11のサブリージョン

そして、今回冒頭で紹介したのが、キャンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネに11のサブリージョン追加というニュースです。

下記の村名は地域名のラベル表示(UGA)が出来るようになります。

Castellina(カステッリーナ)
Castelnuovo Berardenga(カステルヌオーヴォ・ベラルデンガ)
Gaiole(ガイオーレ)
Greve(グレーヴェ)
Lamole(ラモーレ)
Montefioralle(モンテフィオラッレ)
Panzano(パンツァーノ)
Radda(ラッダ)
San Casciano(サン・カッシャーノ)
San Donato in Poggio(サン・ドナート・イン・ポッジ)
Vagliagli(ヴァリアッリ)

また、サブゾーン追加の発表と同時に、グラン・セレツィオーネの品種規定も変更されました。

従来サンジョヴェーゼの最低比率は、80%から90%に引き上げられ、残りの10%は、土着品種のカナイオーロ、コロリーノ、マルヴァジア・ネラ、マンモーロ、プグニテッロ、サンフォルテに限定されます。

また、今後はカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローといった国際品種は認められなくなります。

今回の改正案には下記が目的とされています。


・ワインと地域の組み合わせによるコミュニケーションの強化
・品質の向上
・消費者に生産地域を明確にすることで、差別化と需要を喚起する

第一構想では、グラン・セレツィオーネに導入し、今後はキアンティ・クラッシコやリゼルヴァにも広げる構想とされています。

ますますキャンティ・クラッシコから目が離せません。

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この記事を書いた人

WSET Level2,3取得|WSET Diploma勉強中|一児の母、夫婦で1日ボトル2本は空けるほどワイン好き|年間300日以上飲んでます|毎日の食卓と時間がより楽しく豊かになるようなワインと、WSETやソムリエ試験で使えるネタを紹介しています。

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