本記事のリンクには広告が含まれています WSET

シャンパーニュのヴィンテージとノンヴィンテージ(NV)の違いとは?

ピノ

WSET Level2,3取得|WSET Diploma勉強中|一児の母、夫婦で1日ボトル2本は空けるほどワイン好き|年間300日以上飲んでます|毎日の食卓と時間がより楽しく豊かになるようなワインと、WSETやソムリエ試験で使えるネタを紹介しています。

先日、コント・ド・シャンパーニュ2008が日本で販売開始になり、ラ・ヴィネにてテイスティングをしてきました。

一言で表すなら「華」

いつまでもその香りと味わい、余韻に浸っていたいくらい素晴らしいシャンパーニュでした。
2008年はシャンパーニュ 生産者も絶賛する世紀のヴィンテージと言われています。ヴィンテージシャンパーニュの中でも最高峰だそう。
それゆえに、ドン・ペリニヨン、クリスタル、サロンなど名だたる高級シャンパーニュがヴィンテージをリリースしています。
ではなぜヴィンテージがこんなにも注目されるのか、解説します。

シャンパーニュとは

シャンパーニュは、パリから電車で一時間ほどのところにある地名の一つです。シャンパーニュもスパークリングワインの一つですが、シャンパーニュ地方で造られるものしか、シャンパーニュと名乗ることができません。また、非常に細かな規定と非常に多くの労働と時間をかけて造られるため、お値段も高級。
ではどのようにしてシャンパーニュは造られるのでしょうか。

シャンパーニュの作り方

シャンパーニュで使われるぶどう品種は3種類、シャルドネ、ピノ・ムニエ、そしてピノ・ノワールです。シャルドネ100%で造られるシャンパーニュがブラン・ド・ブラン、ピノ・ノワールもしくはピノ・ムニエ100%で造られるシャンパーニュはブラン・ド・ノワールと呼ばれます。多くのシャンパーニュはこの3種類のワインを混ぜて造られます。

シャンパーニュはまず、3種類のぶどうでそれぞれスティルワインを造り、そこに酵母を入れて発酵していきます(一次発酵)。一次発酵させたワインを今度はぶどう品種や収穫した畑、収穫年など異なるワイン30-50種で調合し、味わいを調整します。
さらに酵母と糖分を添加して、瓶詰めします。そうすると、酵母により炭酸ガスが発生し、瓶内二次発酵が始まります。この間約6-8週間です。
シャンパーニュは熟成期間が決まっており、最低15ヶ月寝かせる必要があります。そうして長い年月熟成を経たシャンパーニュは澱が溜まっているんですね。そこで、澱が瓶の口の方に溜まるよう、瓶口を下に向けられ、毎日少しずつ瓶を回していき澱を沈殿させます。その後瓶の口をマイナス20°以下の塩化カルシウム水溶液に浸け、栓を抜きます。これをデゴルジュマンというのですが、栓を抜くと澱の塊も一緒に飛び出すんです。目減りした分はリキュール入りワインを継ぎ足し、栓をして完成です。

シャンパーニュ地方の気候だからこそ"毎年同じ味わい"

先ほど、「一次発酵させたワインを今度はぶどう品種や収穫した畑、収穫年など異なるワイン30-50種で調合し、味わいを調整します」と説明しましたが、なぜこんなことをすると思いますか?その理由は気候にあります。
シャンパーニュ地方はもともと冷涼な地域のため、年によってはぶどうがほとんど取れなかったり、酸味が強く糖分が十分に達しないぶどうになってしまったりと品質が安定しないんです。そうすると、その年はシャンパーニュが造れないということになってしまいます。
それを防ぐために、数年分のワインを畑やぶどう、収穫年等細かく分けて保存しておき、毎年同じクオリティと味わいのシャンパーニュを造り販売するのです。
収穫年が書かれていないのでノンヴィンテージと呼ばれるんですね。

ヴィンテージシャンパーニュはぶどうの出来が良い年だけに造られる

反対に、天候に恵まれてブドウの出来が非常に良かった年に造られるのが、ヴィンテージシャンパーニュです。
先ほどノンヴィンテージシャンパーニュでは味わいを決めるのに30-50種類調合すると書きましたが、ヴィンテージシャンパーニュの場合は十数種類程度、もしくは一つの畑だけのキュヴェ(一番搾り)だけで造ります。
ヴィンテージワインとノンヴィンテージシャンパーニュの価格を見ていただくとわかりますが、ヴィンテージシャンパーニュの方が値段が高いのは本当に良作の単一年のぶどうだけで作っているから。
加えて、先ほどノンヴィンテージシャンパーニュの熟成期間は15ヶ月とお伝えしましたが、ヴィンテージシャンパーニュの場合は36ヶ月、つまり3年以上熟成させる必要があります。本当に手間をかけて造られていることが分かりますよね。

シャンパーニュが高い理由

最後に、シャンパーニュが他のスパークリングワインと比べて高いのは何故か。理由は4つあります。

1つ目:手摘み

ぶどうを収穫するときに機械収穫ではなく手摘みするから。手摘みはぶどうを傷つけずに収穫できるメリットがある反面、限られた時間の中で行う必要があるので一時的に人を雇わなければならず、人件費がかかります。また、機械収穫に比べて時間もかかります。

2つ目:瓶内二次発酵

調合後、再度瓶内発酵させるために一本一本瓶詰めをします。シャンパーニュの、あのきめ細かい美しい泡は瓶内二次発酵を経てこそ生まれるのです。

3つ目:完成までの長い年月

ぶどう収穫から熟成、瓶詰めまで非常に長い年月をかけてシャンパーニュは造られます。熟成期間は最低15ヶ月以上ですが、生産者によっては規定よりもより長く熟成させることもあります。

つまり、これらから言えることは、「非常に手間をかけて造っている」ということなんですね。そしてやはりシャンパーニュは美味しくて世界中で需要がある、これも理由の一つだと考えます。
ワインショップに行かれた際は、是非これらの理由を思い出しながら選んでみると面白いかもしれません。

ENOTECA Online(ワイン通販 エノテカ・オンライン)

読まれています!

1

年間300種類以上のワインを飲んでいた筆者が、「ここは何度もリピしていて本当にすすめたい!」と思うワインショップを厳選して12選紹介します。

2

ワイン資格といえば、日本では圧倒的に「ソムリエ」や「ワインエキスパート」が有名ですよね。 でも、実は今WSETというワイン資格が日本で人気が急上昇しているんです。 数年前までは「WSET」と言っても何 ...

3

先日、キャンティ・クラシコにて11のサブリージョンが導入されたという、大きなニュースがありました。 これにより、グラン・セレツィオーネに11の村名がUGA(Unita Geografiche Aggi ...

4

以前極上の甘口ワイン、「貴腐ワイン」とは?では、シャトーディケムで有名な貴腐ワインの作り方について紹介しました。 でも甘口ワインには貴腐(Noble Rot)以外にも様々な手法で作られる甘口ワインがあ ...

5

ワイン本といっても入門書から専門書まで様々ありますよね。本記事では100冊近くワイン本を読んできた中からテーマ別に23冊を厳選。入門書からワイン試験まで対応できる本をまとめました!

-WSET
-,