「ワインの話をするとよく「グレープフルーツ」「白い花」といった表現が出てくるけど、味わいをより理解するためにテイスティングの勉強をしたいの。どんなツールや参考書があるのかしら」
今回はこれがあればグッとテイスティングスキルが上がる!そんな実践的なキットと書籍を紹介します。
アロマキット
マスターワインアロマキット(88種類のアロマ)
ワインの風味としてよく表現される香り88種類が揃っているキットです。例えばワインスクールでテイスティングの答え合わせや解説を聞いている時に、講師の先生から香りの表現として、リコリス、菩提樹、スイカズラって聞いた時に時々「?」ってなりませんか?普段あまり香ることのない表現って具体的にどんな香りか分からなくなる時があるんですよね。このキットがあったおかげで、私自身も普段馴染みのない香りを嗅いで覚えることが出来、表現力と理解力が格段に上がりました。持っているとかなり役立ちます。
パウダータイプの香辛料
もっとお手頃に済ませたいと言う方はこちら。ナツメグ、黒こしょう、クローヴなど香辛料の香りの分析であれば市販のパウダーで代用可。最初の頃私が実践していた方法です(結局色々な香りを嗅ぎたくなってアロマキットを買いました)
普段料理をする際に都度香りを確かめたりすると、嗅覚が鍛えられますよ!
参考書
ワインの香り
こちらは、12種類の香り分子をとじ込めた、アロマカード(擦ると香るタイプのもの)が入っていて、カードを組み合わせることにより最大27種類の香りを嗅ぐことができる優れもの。ワインはなぜ香るのか、どう言う時にこの香りの表現が使われるのかといった解説も詳しく書かれており、読み物としても非常に勉強になります。この本によると「嗅覚は訓練によって鍛えられる」とのこと。普段から香りを意識して嗅ぐことにより、香りを覚え、嗅覚が発達していくそうです。
The WINE
この本は、赤ワイン、白ワイン、スパークリングワインごとにそれぞれブドウ品種がどのような味わいの特徴があるのかアロマホイールで解説しています。
さらに良いのは、冷涼な地域と温暖な地域では同じ品種でも味わいに違いが見られます。例えば、白ワインの代表品種であるシャルドネは、冷涼な地域ではレモンやグループフルーツ、花梨といった味わいですが、温暖な気候ではパイナップルやマンゴーのような熟したトロピカルフルーツの味わいが強くなります。この本では、地域ごとの味わいの特徴を勉強できるので、自宅でテイスティングをする際に非常に参考になります。
ワインのテイスティングコメントは必ず書き留めよう
ワインテイスティングのスキルを向上させる方法の一つは必ずワインの外観、味わい、香りを書き留めること。最初は自信がなくても構いません。とにかくその時に感じた評価を書き留めることで表現力とテイスティング能力が向上していきます。このノートは自宅でテイスティングする際に結構役立ちます。
左ページに一般的なデータや外観を記載する欄が、右ページには、ソムリエ協会の試験で表現として出るような香りや特徴の選択肢が並んでいます。最初は選択肢を選ぶところからのスタートで十分。ちなみにWSETのLevel3以降のテイスティング試験は全て記述式なので、外観、香り、風味、ボリューム等全てインプットしておかないと点が取れません。WSETを勉強される方は慣れてきたら表現を自分で書く練習もすることをオススメします。