日本ではソムリエや最近だとwestの資格が有名ですが、海外ではそれ以外かなとさまざまなワイン資格があります。
その一つが、世界最高峰ともいわれるマスターオブワインです。
日本でも最近認知度が高まっている世界最大のワイン国際資格「WSET」。
WSETを目指す人やWSETという資格を知っている人の多くが一度は耳にしたことのある資格がマスターオブワインです。
世界でも数百人しか称号を持っていない神のようなこの資格。
本記事ではマスターオブワインとはどんな資格なのか、そしてマスターオブワインになる方法や日本人の資格保有者を解説します。
- マスターオブワインについて知りたい
- マスターオブワインになる方法について知りたい
- マスターオブワインってどれくらい難しいのか知りたい
マスターオブワインは世界で約500人しかいない世界最高峰のワイン資格
マスターオブワインは、イギリス、ロンドンに拠点を置くマスター・オブ・ワイン協会認定のワイン資格です。
マスターオブワインは、厳しい基準で世界的に認められているマスターオブワイン試験に合格することで、ワインにおけるあらゆる理解を証明します。
マスターオブワインの試験では、筆記とブラインド・テイスティングに加え、ワインの世界の理解に貢献するテーマに関する個人研究論文が含まれます。
また、業界内で最高水準の商業行為を守ることが義務付けられており、試験に合格すると、称号を使用する資格を得る前に、この行動規範に署名することが義務付けられています。
2023年現在、マスターオブワインは世界32カ国で502人です。参考:Two new Masters of Wine join the 2023 vintage of MWs
マスターオブワインを取得している日本人はたったの2人
現在日本人として、マスターオブワインに合格した人は世界に2人のみ。
日本人在住の大橋建一MW氏と、イギリス在住の田中麻衣 MW氏です。
マスターオブワインが拠点とする上位国は、英国 (205)、米国 (59) 、オーストラリア (27)、ニュージーランド (15)、フランス (18)。
もちろん全て試験は英語で行われることから、いかに日本人がマスターオブワインを取ることが難しく、権威あるものなのか分かります。
マスターオブワインになるには
まず、この資格を受ける前に、前段階としてWSETのディプロマのワイン資格、またはコート・オブ・マスター・ソムリエの上級ソムリエといった高レベルのソムリエ資格を持ち、少なくとも3年間の経験を積んでいる必要があります。(実際はそれ以上かる)
また、6年以内にテイスティングと実技に合格しないと合格パートは白紙になってしまうことからも、合格者が10-15%とかなり道のりが険しいことでも知られています。
試験は3段階で構成
テストは、テイスティング、学科、論文で構成されています。
5日間の合宿セミナーと4日間の非合宿コースが行われます。
6月初旬にロンドン、ナパ、アデレードのいずれかで行われるステージ1アセスメント(S1A)では、理論論文2回と 12 種類のワインのブラインド ペーパーが含まれており、品種、産地、品質、商業的地位などの点でワインを正確に評価する必要があります。
5日間の合宿セミナーと4日間の非合宿コースが行われ、年間を通して様々な課題を提出・評価を受けます。
3回の12ワインのブラインド・テイスティングで構成され、品種、原産地、商業的魅力、ワイン醸造、品質、スタイルについてワインを評価しなければなりません。
また、学科問題では、ブドウ栽培、醸造、瓶詰め前の手順、ワインの取り扱い、ワインのビジネス、現代的な問題についての5つで構成されています。
試験は6月初旬に実施され、両方のパートに合格することで第3段階に進むことができます。
ステージ 3:最終パートとなる研究論文では6,000-10,000文字(英語)で構成されます。
資格取得後のキャリア
マスターオブワインの資格を取得後は、下記をはじめとするキャリアの選択肢があります。
- 大手スーパーのバイヤー
- ワインコンサルタント
- ホテルやレストランなどのワインリスト作成
- 大手ワインブランドのワイン商
- ワイン関連の講師や講演
大橋さんも、マスターオブソムリエ取得後に、海外の大型リゾートホテル向けのリスト作り、アジアの有名ワインインポーターのための日本酒の選定、マーケティングコンサルタント、ワイン選定協力の依頼などが来たそうです。(参考:マスターオブワインになるには)
マスターオブワインを目指すならWSETを受験しよう!
マスターオブワインを目指したい!ということであればWSETを受験する必要があります。
WSETのディプロマ資格はWSET Level3を受験していることが前提なので、まだWSET持っていないよという方はLeve3を受験しましょう!
WSETはLevelが大きく4段階あります。
- WSET® Level 1 Award in Wines
- WSET® Level 2 Award in Wines and Spirits:最低16時間の講座受講が必要
- WSET® Level 3 Award in Wines:最低30時間の講座受講が必要
- WSET® Level 4 Diploma in Wines and Spirits:最低600時間(講座時間数含む)の勉強が必要、Level3資格保持者のみ受験可
現在日本でWSETを受けられるのはこちらの4校。
ディプロマ(Level4)はキャプランでしか受講できませんが、Level1からLevel3までを受験するならアカデミー・デュ・ヴァンが最もおすすめです。
詳しいWSETの勉強方法や申し込み方法はこちらのページで確認できます!
マスターオブワインの試験問題
毎年6月にロンドン、アデレード、サンフランシスコで開催されるステージ2の試験後に、マスターオブワイン協会のサイト上で試験問題とブラインド・テイスティングのワインリストが発表されます。
例えば、2023年のテイスティング問題はこちら。
かなーり勉強しないと解けないのが問題を見て読み取れます。
マスターオブワイン:よくある質問
ここではマスターオブワインに関するよくある質問を紹介します。
- ワインエキスパートやソムリエ、シニアソムリエとマスターオブワインはどちらが難しいですか?
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断然マスターオブワインが難しいです。
- マスターオブワインとマスターオブソムリエの違いはなんですか?
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マスター・オブ・ワインとマスター・ソムリエは、どちらもワイン業界最高峰の資格ではあるものの、役割と焦点に大きな違いがあります。
- マスター・オブ・ワイン:ワインの学術的側面に重点を置き、ワインの製造、理論、商業に関する深い知識を要求します。マスターオブワインはワインの評価、品質管理、教育、執筆などの分野で活動しています。
- マスター・ソムリエ: レストランやホスピタリティ業界でのワインサービスに焦点を当てています。MSはワインの選択、顧客へのサービス、食品とワインのペアリングの専門知識を持ち、実践的な技能が重視されます。
マスターオブワインとは?日本人の人数や取得方法:まとめ
本記事ではマスターオブワインの資格や日本人の取得者について紹介しました。
難しい資格ではあるものの、最近は日本でWSETディプロマ資格を取得される方も増え、さらに高みを目指す資格としてマスターオブワインを受験される日本人も増えてきています。
マスターオブワインに興味がある!という方は、WSETの受験をしながらワインの奥深さと楽しさを体感すると良いかもしれません。