ワインショップに行くと、同じスパークリングワインコーナーなのにシャンパンと書いてある商品もある・・・
そんな疑問を持ったことはありませんか?
- シャンパンとスパークリングワインってよく聞くけど、何が違うの?
- シャンパンってスパークリングワインじゃないの?
実はシャンパン&スパークリングワインどちらも発泡性ワインです。
でも作り方や作られる地域が違うため、このように区別されているんですよ!
色々なスパークリングワインを飲んで、ぜひ自分の好みを見つけてみてくださいね!
シャンパンも実はスパークリングワインの一種
前述したように、シャンパンはスパークリングワインという発泡性ワインの一種です。
ただし、シャンパンと名乗れるのはフランスのシャンパーニュ地方で作られるスパークリングワインのみ。
シャンパーニュ以外で作られるフランスのスパークリングワインや、他の国で作られるスパークリングワインはシャンパンと名乗ることができません。
シャンパンと名乗るためには規定がある
また、シャンパンと名乗るには、シャンパーニュ地方で作られるスパークリングワインという大前提がありますが、これ以外にも様々な規程をクリアする必要があります。
製造方法は瓶内二次発酵
シャンパンは「瓶内二次発酵」と呼ばれる伝統的な方法で作られます。
この方法では、ワインをボトル内で二次発酵させることにより、独特の風味と泡を生み出します。
他のスパークリングワインは、この方法以外の方法(例えばタンク方式、炭酸ガス注入方式)で作られることもあります。
作り方についてはこちらの記事で詳しく紹介しているよ!
ぶどう品種は主に3種類
シャンパンは、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネという世界を代表する3種類のぶどうを主に使用します。
基本的にこれら3種をブレンドして作りますが、この他に
- シャルドネと呼ばれる白ぶどうだけを使って作られるブラン・ド・ブラン
- 黒ぶどうだけを使って作られるブラン・ド・ノワール
- 白ぶどうと黒ぶどうをブレンド、もしくは黒ぶどうを短期間だけ漬け込んで作られるロゼシャンパン
があります。
他のスパークリングワインでは、これら以外の品種が使われることもあります。
シャンパンの味わいと品質
シャンパンは、その製造方法と厳格な品質管理により、独特の味わいと高い品質を持ちます。
一般的に、リンゴやレモンのアロマに、熟成を経て生み出されるトーストやビスケットといったニュアンスも加わり奥深く複雑な味わいを楽しめます。
瓶内二次発酵や長期熟成と、他のスパークリングワインよりも長い時間をかけて作られるため、価格も高めです(安いものでも5,000-6,000円、通常のシャンパンだと約1万円前後します)。
また、シャンパンは一般的には複数年のぶどうをブレンドして作られますが、良い年のぶどうだけで作られるシャンパンはヴィンテージシャンパン・プレステージ・キュヴェと呼ばれ、これらは数万円することも珍しくありません。
味わいの違いについて、糖度、ブラン・ド・ブラン、ブラン・ド・ノワール、ロゼシャンパンそれぞれ見ていきましょう。
シャンパンは糖度や使うぶどう品種によって呼び方が変わる
シャンパンは多くのものがブリュットと呼ばれる辛口スタイルで、引き締まった酸と柑橘系のフレッシュな味わいが特徴です。
また、シャンパンに含まれる糖度によって、味わいのスタイルが変わってきます。
糖度による呼び方の違い
糖度のレベルは全部で7段階。シャンパンの定番とも言える辛口スタイルはブリュット(Brut)と呼ばれます。
それぞれの糖度には±3g/Lの許容範囲があり、ブリュットであれば15g/Lまで可能です。
- ブリュット・ナチュレ/ドサージュゼロ:残糖度3g/l以下。
- エクストラ・ブリュット:残糖度0~6g/l。
- ブリュット:残糖度12g/l以下
- エクストラ・ドライ:残糖度12~17g/l
- セック:残糖度17~32g/l
- ドゥミ・セック:残糖度32~50g/l
- ドゥー:残糖度50g/l以上
最近は健康志向もあって、残糖度の高いシャンパンを見かけることは少なくなりました。一方でエクストラ・ブリュットやドサージュゼロといった糖度の低いシャンパンの人気は消費が伸びてきています。
シャルドネ100%で作られるブラン・ド・ブランの味わい
軽やかでエレガント、フレッシュな酸味とミネラル感が特徴です。
グリーンアップル、柑橘類、白い花、トーストやミネラルのノートが感じられることが多いです。
また、熟成向きとも言われています。
ピノ・ノワール/ピノ・ムニエで作られるブラン・ド・ノワールの味わい
ブラン・ド・ブランよりもふくよかで、しっかりとしたボディと深みのある味わいが特徴です。
ロゼシャンパンの味わい
フルーティで豊かな味わいが特徴で、赤果実(イチゴ、ラズベリー)のアロマや、軽いハーブや花のノートが感じられます。
実はシャンパンにもこんなにある!スパークリングワインの種類
では、スパークリングワインの特徴についても見ていきましょう。
実は、スパークリングワインも、地域によって呼び名やスタイルが異なるんですよ。
また、シャンパンではシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエが使われますが、他のスパークリングワインでは様々なぶどう品種が使われます。
イタリアのデイリースパークリングワイン:プロセッコ
プロセッコは、イタリア北東部のヴェネト州とフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州で生産されるスパークリングワインです。
シャンパーニュ地方のシャンパン、スペインのカヴァと並んで三大スパークリングワインの一つと言われています。
- 品種:プロセッコはグレラと呼ばれる白ぶどう品種から作られます。
- 味わい:軽くてフルーティ。柔らかい泡立ちとメロン、洋梨花のようなアロマが特徴です。また、ドライ、エクストラ・ドライ、ブリュットなどの甘さのレベルがあります。
- 価格:2,000-3,000円で購入できるものが多く、気軽に飲めるスパークリングとして世界中で売上が伸びています。
スペインのデイリースパークリングワイン:カヴァ
カヴァはスペイン産のスパークリングワインで、特にカタルーニャ地方で多く生産されています。
シャンパンと同じ瓶内二次発酵で製造しています。
- 品種:カヴァはマカベオ、パレリャーダ、チャレッロという地元品種を使います
- 味わい:リンゴ、洋ナシ、柑橘類、ナッツ、トーストのようなアロマが感じられることが多いです。ゴムっぽい品種独特の香りを感じることもあるかもしれません。
- 価格:プロセッコ同様2,000-3,000円で購入できるものが多く、安くて美味しいものが揃っています。・
イタリアの甘口ワイン:アスティ
アスティはイタリアのピエモンテ地方で生産される甘口スタイルのスパークリングワインです。
- 品種:モスカート・ビアンコというアロマティックな白ぶどうを使って作られます。
- 味わい:柔らかい泡立ちと、ピーチ、アプリコット、洋ナシ、花のようなアロマが特徴的です。また、一次発酵を途中で止めることで、自然な甘みとアルコール度数を低く保ちます。
- 価格:安いものだと1,000円から、2,000-3,000円台のお手頃価格が多いです。
ワイン初心者や甘口ワインが好き、アルコール度数の低いスパークリングが飲みたいという方におすすめです。
イタリアの高級スパークリングワイン:フランチャコルタ
イタリアのロンバルディア州にあるフランチャコルタ地域で作られるスパークリングワインです。
- 品種:シャンパンと同じ瓶内二次発酵で作られるスパークリングワインで、主にシャルドネ、ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)、ピノ・ビアンコ(ピノ・ブラン)を使用します。
- 味わい:リンゴや柑橘類、トーストやナッツの味わいが感じられます。
- 価格:5,000円前後とプロセッコやカヴァに比べるとやや高めです。
ドイツのスパークリングワイン:ゼクト
ドイツで作られるスパークリングワインです。
- 品種:ドイツを代表する品種リースリングやピノ・ブラン、ピノ・グリ、シャルドネから作られます。
- 味わい:フレッシュでフルーティな味わいが特徴的です。
- 価格:ゼクトは安いものから高いものまで幅広く、高品質のものは「瓶内二次発酵」で製造されます。
その他、イギリス、南アフリカ、アメリカ、チリなど、世界中で素晴らしいスパークリングワインが作られています。
シャンパンとスパークリングワインの価格差の理由
一通りシャンパンとスパークリングワインの違いを理解したところで、よくご質問いただく質問を紹介します。
一つ目はシャンパンはなんで高いの?というご質問。
瓶内二次発酵や長期熟成と、他のスパークリングワインよりも長い時間をかけて作られるため、シャンパンの価格は高めですと書きましたが、もう少し詳しく解説します。
人件費がかかる
まず、多くのシャンパンはぶどうを収穫する時に機械ではなく手摘みで行います。機械収穫よりも時間も人件費もかかるためコストが高くなりがちです。
次にシャンパンを市場に出すまでに多くの年月を費やします。また、メゾンシャンパンと言われる大手のシャンパーニュは醸造にも様々な工夫と努力を重ねています。
こういった要素も価格が高い一つの要因として挙げられます。
シャンパンを代表するルイ・ロデレールのイベントに参加した時のレポートをまとめているので、ぜひこちらも合わせて読んでみてください。
スパークリングワインの場合は、もちろんシャンパンと同じ瓶内二次発酵で作られるワインも多数ありますが、もっと簡単に作る方法として、タンク方式、トランスファー方式、リュラル方式、炭酸ガス注入方式といった方法があります。
これらの方式は大量かつ短い期間でスパークリングワインを作れる一方で、泡立ちが大きかったり、均一でなかったり、すぐ炭酸が抜けてしまうという傾向もあります。
需要が高い
やはりシャンパンは特別な日に飲まれることの多い飲み物、かつヴィンテージシャンパンやプレステージ・キュヴェなどなどは熟成も可能なことから、他のスパークリングワインと比べて需要が高い傾向があります。
温暖化の影響による収穫量の減少
あとは、近年温暖化の影響で霜でぶどうが傷んでしまったり、病気にかかりやすくなってしまうといった課題も深刻になっています。(参考:気候変動でシャンパーニュはベト病が5倍に増加……有機シャンパーニュ協会報告)
こういった課題は収穫量が減ってしまうことにもなりかねず、価格高騰の要因の一つとなります。
マーケティング費用がかかっている
特にモエ・シャンドンやルイ・ロデレールなど大手のシャンパンメゾンはマーケティング施策の一つとして広告費をかなり使っています。
マーケティング予算は価格上昇の一つの要因と考えられています。
シャンパンとスパークリングワイン選び方の3つのポイントとおすすめワイン5選
普段飲みで選ぶのか、はたまたお祝い用に飲むのか、飲むシーンはもちろん予算などによっても選び方は異なってきますよね!
ワイン選びは価格、スタイル、飲むシーンの3つをポイントにすると選びやすいですよ!
シャンパン | プロセッコ | カヴァ | アスティ | フランチャコルタ | ゼクト | |
スタイル | 辛口 | 辛口 | 辛口 | 甘口 | 辛口 | 辛口〜甘口 |
価格 | ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ | ⭐️⭐️ | ⭐️⭐️ | ⭐️ | ⭐️⭐️⭐️ | ⭐️⭐️ |
飲むシーン | ちょっと高級なスパークリングを飲みたい時に 特別な日に | デイリーワインに | デイリーワインに | デイリーワインに | デイリーワイン ちょっと高級なスパークリングを飲みたい時に | デイリーワインに |
デイリーワインなら2,000-3,000円の「プロセッコ」や「カヴァ」が手頃で手が届きやすい
やはり普段飲むワインは2,000-3,000円程度の価格帯が良いですよね。
プロセッコやカヴァの良いところは、食事に合わせやすく、すぐ飲みタイプとして売られている点。
そのため、デイリーワインとしては買いやすいと思います。
プロセッコもカヴァも果実味主体ですが、プロセッコの方がより軽くてフレッシュ、カヴァはプロセッコよりも多少ボディを感じます。
個人的にはカヴァの方が好きですが、人によってはカヴァ特有のゴムっぽい香りが苦手という方も
ちょっと良いスパークリングを飲みたい時はフランチャコルタや瓶内二次発酵のスパークリングワインがおすすめ
まず、フランチャコルタで代表的なスパークリングワインといえば、カ・デル・ボスコとベラヴィスタです。
カ・デル・ボスコはフランチャコルタを飛躍的に向上させたと言われる、世界的に有名なスパークリグワイン。
シャンパーニュ方式と同じ瓶内二次発酵を用いて、約28ケ月間熟成が行われます。
つい最近私も飲みましたが、とにかく外観が美しいんです!
泡立ちも均一かつ細かく、トロピカルフルーツのアロマとイースト香が調和したバランスの良いスパークリングワインです。
ベラヴィスタは、スパークリングワインに使われるぶどう全てを自社畑で造っているという徹底ぶりで知られるワイナリーです。
100%手摘みで収穫されたブドウは、通常1時間くらいで行うプレスを4時間ほどかけてゆっくり行い、その後最低で40ヵ月熟成させているという、かなり手の込んだフランチャコルタです。
シャンパーニュの規定熟成期間が15ヶ月なので、倍以上熟成させてるんですよ!
そのため、熟成を経て生まれるトーストやアーモンド、バニラの風味にアプリコットや白桃のアロマ、そして美しく長く続く余韻が贅沢な気分にさせてくれます。
また、瓶内二次発酵で人気のあるスパークリングワインといえば、南アフリカの
グラハムベック ブリュット
シャルドネとピノ・ノワールのブレンドで作られており、醸造設備も全て本場シャンパーニュから取り寄せているかなりこだわりの1本です。
ふくよかですっきりとした酸、柑橘系のアロマの後にはふわっとトーストやイースト香が広がります。
ファンも多く、まとめ買いする方も多いスパークリングワインです。
ハーフシャンパンなら3,000円台で買えるものも
とはいえ、瓶内二次発酵しているとはいえどやはり味わいはシャンパンとは正直異なります。
やっぱりシャンパンが飲みたくなっちゃうんだよね
そんな時はハーフシャンパンを飲むという方法がありますよ!
実は、ここ数年シャンパンだけでなくワイン業界全体でハーフボトルの需要が伸びているんです。
旅行やイベントの時など持ち運びしやすい、飲み切れるサイズ感というのが理由の一つです
通常の750mlボトルだとメゾンシャンパンの場合1万円近くしますが、ハーフボトルであれば、安いものだと3,000円台から売られています。
750mlボトルより多少割高ですが、そんなにたくさん飲まない方や、白・赤ワインも飲むという方には飲みきりサイズなので逆に良いと思います。
私のおすすめはデュラモット。
デュラモットはあの1本10数万するサロンの妹的ブランドで、サロンが造られない年のブドウで作っているシャンパンなんですよ!
メゾンシャンパンの中では比較的安い方なので、個人的に買いシャンパンとずっと思っています。
あとは、シャンパンのハーフセットを買うというのも一つの方法です。
シャンパンセットはCHAMPAGNE HOUSEが一番良いです。
メゾンシャンパンはもちろん、小さな生産者のシャンパンも数多く揃えていて、シャンパンセットもお買い得なんですよ。
おすすめはこちらのハーフセット。
特に右から2番目のシャンパンはおそらく10回以上飲んでますが、酸味と柑橘系の風味のバランスが抜群で何度飲んでもコスパ高いなと思ってます。
単品で買うよりも割引率が良いので、我が家もCHAMPAGNE HOUSEは何年もリピートしています。
甘口スパークリングならアスティが低アルコール&アロマティックで良し
甘口ワインを飲みたい時は、ぜひアスティを選んでください。
甘口スタイルなので、他のスパークリングワインと比べると料理と合わせる幅は狭いものの、フルーツを使ったサラダや乾杯酒、食後のデザートと共にいただくのが相性が良いです。
アスティはマルティーニがおすすめ。
世界的にも評価が高いブランドなので、スーパーで見たことのある方もいるかもしれません。
アロマティックな香りと甘さを存分に楽しめます。
ただし、泡の持続性は弱めなので、早めに飲み切るか、ハーフサイズをお勧めします。
シャンパンとスパークリングワインの違いまとめ
以上、シャンパンとスパークリングワインの違いをご紹介しました。
ぜひTPOに応じてシャンパンやスパークリングワインを日常で楽しんでみてください!