先日、Winomyさんが主催するルイ・ロデレールのオンラインワイナリーツアーに参加しました。ルイ・ロデレールはシャンパーニュに行ってもワイナリーツアーしていないので、今回のオンラインツアーはかなりレアでした!
知っているようで知らないルイ・ロデレールの魅力についてたっぷりとまとめます!
ルイ・ロデレールとは
ルイ・ロデレールは、1776年に設立された世界的に有名なシャンパーニュメゾンです。創業以来、家族経営を貫き、現在のオーナーは7代目とのこと。
ルイ・ロデレールが家族経営にこだわる理由は「哲学の継承」だそうです。
シャンパーニュメゾンは経営の観点からも大手のメゾンに買収されることが多く、社長が変わったり、醸造方法が変わったりと言うこともしばしば。
家族経営であれば、独立性を持つことができるので、他から色々と言われることなく、昔から引き継がれてきた哲学を貫きながら、品質にこだわることができるのです。
ルイ・ロデレールの栽培方法
ルイ・ロデレールは、現在モンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・ド・ブランを中心に242ヘクタールの自社畑を所有しています。 (65%がピノノワール、35%がシャルドネ)
ルイ・ロデレールがシャンパーニュに必要とする70%(ピノノワールとシャルドネ)を賄っており、残り30%は契約農家から購入しています。
通常、他のシャンパーニュメゾンは、多くが契約農家からぶどうを購入してシャンパーニュを造っています。自社畑のぶどうを使うことにより、ぶどうの栽培から収穫まで、徹底した手入れと管理をすることができるので、より質の高いぶどうでシャンパーニュを作ることができるのです。
ちなみに、NVには契約農家から買っているぶどうが20-30%入っているそうですが、ヴィンテージシャンパーニュは100%自社畑のぶどうから造られています。
ビオディナミにこだわる
また、ルイ・ロデレールは、最大のビオディナミ生産者としても有名です。来年には自社畑のおおよそ半分にあたる150ヘクタールが認証を受ける予定とのこと。(シャンパーニュ全体でビオディナミに取り組んでいるメゾンは全体の約3%ほど)
もともとシャンパーニュ地方は冷涼な気候であるため、病害が多い環境のため、ぶどうの収穫量がその年によって大きく変わります。そのため、無農薬で栽培は非常に難しくリスクも伴いますが、ルイ・ロデレールが昔から大事にするテロワールをより良く表現するためにビオディナミを行っています。
ルイ・ロデレールの醸造
2世紀以上にわたるシャンパーニュの経験があるルイ・ロデレール。
ルイ・ロデレールのシャンパーニュはフレッシュさを維持するためにマロラティック発酵を行いません。
マロラティック発酵とは:リンゴ酸を乳酸に変える働き。これにより、キリッとしたレモンのような酸の味わいがまろやかになる。シャンパーニュ地方は冷涼地域なので、酸味の強い味わいになるため、マロラティック発酵を行う生産者が多い。
自社畑252ヘクタールは400のプロットから成り、そこで収穫された様々なプロットのぶどうを直接醸造所に持っていき、そのままベースワインに仕立てていきます。発酵には、25%は樽を使い、残りの75%はステンレスタンクを使います。樽を使うことにより、わずかにワインが空気と触れることができるので、味わいに複雑味をもたらすことができるのです。ステンレスタンクはフレッシュでエレガントな味わいに仕上がります。
ルイ・ロデレール・ブリュット・プルミエ
ルイ・ロデレールを代表する、NVのシャンパーニュ。シャンパーニュは冷涼な地域なので、毎年気候の影響でぶどうの出来不出来があります。そのためその年に収穫されたベースワインにリザーヴワインを混ぜることにより、毎年一定の品質と量を維持しながら造り上げていきます。(最も造るのが難しいとのこと)
NVワインは70%のベースワインと30%のリザーヴワイン(5-7種類のヴィンテージワイン)を混ぜて品質を維持しているとのこと。通常リザーブドワインに使われるのは2-3種類ほどなので、その倍の種類のリザーヴワインが使われています。ちなみにこのヴィンテージワインは、クリスタルに使うワインを寝かせて使っているんです!
さらに熟成はシャンパーニュの規定の倍の36ヶ月を費やしています。ルイ・ロデレールのきめ細かいムースのような泡はこの熟成の長さから来ているんですね!
セパージュ:40%ピノノワール 40%シャルドネ 20%ピノ・ムニエ
ピノ・ノワールとシャルドネは自社畑、ピノ・ムニエは契約農家から購入したぶどうから造っています。
ルイ・ロデレール クリスタル
ルイ・ロデレールで初めてのプレステージ・シャンパーニュ、クリスタル。
ロシアのアレキサンダー二世のために約200年前に造られたシャンパーニュで、ルイ・ロデレールが希求する”稀少性、完璧さ、気品”の象徴となるシャンパーニュです。
ちなみに、クリスタルのボトルの底が平になっているのはご存知ですか?先述のアレキサンダー二世は1870年から1875年にかけて何度か暗殺未遂に遭っていました。そこで、ボトルの底に爆弾が隠れていないかすぐ分かるように、平に作るように要求したのです。また、通常ワインは繊細で日光の影響を受けやすいので、色の濃いボトルが使用されますが、アレキサンダー二世が毒が盛られないようにするため、クリスタルのボトルが透明にするよう求めたのです。
ルイ・ロデレール ブリュット・ヴィンテージ
クリスタルと同じ年に作られる、ルイ・ロデレール ブリュットのヴィンテージシャンパーニュ。NVよりも長い約4年半から5年ほどの熟成期間を経てリリースされます。
セパージュは70%が、モンターニュ・ド・ランスのピノ・ノワール、30%が南向き斜面のコート・ド・ブランのシャルドネを使用しています。
モンターニュドランスのテロワールである果実の香りと石灰質の強さ、そしてコートドブランの暖かい果実味がバランスよく表現されている一本です。
ルイ・ロデレールブリュット・ヴィンテージ・ロゼ
ルイ・ロデレール ブリュット・ヴィンテージ・ロゼは他のシャンパーニュロゼと比べて雑味がなく、繊細な味わいです。
その理由は醸造過程にあります。通常ロゼワインは赤ワインと白ワインを混ぜて造られますが、ルイ・ロデレールではセニエ法といって、黒ぶどうの色素をゆっくりと皮から抽出する方法を採用しています。ピノ・ノワールを収穫後、果皮を潰さずにゆっくりと8-10日ほどつけておき、色を抽出し、シャルドネとブレンドして造るのです。この時にぶどうの鮮度を落とさないよう、温度を下げて行います。
ヴィンテージ・ロゼは、プルミエ・クリュのピノ・ノワールだけを用いて仕立てています。赤系果実やすみれなどの華やかなアロマときめ細かな泡立ちが本当に美しいです。
エノテカのクレジットカードをお持ちの方は、ルイ・ロデレール・ブリュット・プルミエを会員価格で購入することが出来ますよ!
メゾンの哲学を聞いて飲むと、またより深く楽しむことが出来ますね!