本記事のリンクには広告が含まれています 白ワイン

オレンジワインが「まずい」と言われながらも世界中で大人気なワケとは

ピノ

WSET Level2,3取得|WSET Diploma勉強中|一児の母、夫婦で1日ボトル2本は空けるほどワイン好き|年間300日以上飲んでます|毎日の食卓と時間がより楽しく豊かになるようなワインと、WSETやソムリエ試験で使えるネタを紹介しています。

ピノ
ピノ

「最近「オレンジワイン」が人気ってよく聞くんだけどどんな味わいなの?」

スパークリングワイン、白ワイン、赤ワインに続く、第4のカテゴリーとして今世界中で注目されているのが、「オレンジワイン」

オレンジから作られているの?と驚く方もいらっしゃるのですが、外観がオレンジ色をしているのでオレンジワインと言われています。

でも、オレンジワインを飲んだことのある方の中には「まずい」と感じる方もいらっしゃるようです。

個人的には、オレンジワインはとても美味しいです!が、私も一番最初に飲んだ時には「ん?」と思いました。

そこで今回は、オレンジワインの作り方や味わいの特徴を学びつつ、「オレンジワインはまずい!」と言われる理由についても解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね!

この記事で分かること

  • 今話題のオレンジワインの味わいの特徴や作り方について解説
  • 後半では、おすすめオレンジワインも紹介!

オレンジワインとは

オレンジワインとは、白ぶどうから造られているワインです。

通常、白ワインはぶどうを破砕後に果皮と果汁を接触せずに作りますが、オレンジワインは、赤ワインのように白ぶどうを果皮と果汁を一緒に発酵させることで、白ぶどう果皮から色や皮由来の香りを引き出しているのです。

ピノ
ピノ

これをスキンコンタクトと呼ぶよ!

オレンジワインは、白ワインと赤ワインの中間に位置するワインとイメージしてみてください!

白ワインの作り方については、「初心者でも分かるワインの作り方」で詳しく紹介しています!

オレンジワインがまずいと思われる理由と味わいの特徴

さて、オレンジワインを飲んでみるとこんな感想をよく耳にします。

  • なんかまずく感じる
  • アプリコットやオレンジピール、ナッツなどの香りがする
  • 苦味や渋み(タンニン)を感じる
  • 白ワインと比べてボディがある

確かに、普段白ワインや赤ワインに飲み慣れている人や始めてオレンジワインを飲んだことのある方だとまずいと思う方もいるかもしれません。

オレンジワインの醸造過程に理由がある

オレンジワインが、上記のような味わいになるのは、先ほど説明したように、オレンジワインの醸造過程にあります。

白ワインの醸造でも、数時間から数日間スキンコンタクト(果皮を果汁と接触)をする生産者もいますが、オレンジワインの場合は、数週間から長いと数ヶ月する生産者も。

長期間スキンコンタクトをすることにより、果汁の中にタンニンが含まれ、程よいボディを感じるのです。

オレンジワイン特有の渋みは、果皮由来の味わいと理解すると分かりやすいと思います!

味わいの特徴

そして、このスキンコンタクトの期間も結構生産者によってまちまちなんですね。

短い場合は数日から数週間程度ですし、長い場合だと数年費やす生産者も。

それによってタンニンの味わいも変わってきます。

スキンコンタクトが短いワインは、多少キュッキュとした渋みを感じるものの比較的飲みやすい傾向がありますし、長期スキンコンタクトを経て作られるオレンジワインはタンニンもしっかり感じます。

これは飲んだ好みかなぁと思います。

実際に買う場合はお店の人に聞いたり、オンラインの場合は作り方の部分を見ると想像つきやすいです

オレンジワインの発祥はジョージア

さて、そんなオレンジワインはジョージアから発祥したと言われています。

ジョージアでは、8000年も前からクヴェグリと言われる伝統的な壺の中に白ワインの果皮、種、果汁を入れ、土中に埋めて発酵させていました。

その後、ジョージアが旧ソ連から独立後の1990年代半ばに、イタリア・フリウリ州のナチュラルワイン生産者、グラヴネルやラディコンらがクヴェヴリによるワイン醸造に感銘を受け、オレンジワインを造り始めます。

それらのワインが高く評価されたことにより、オレンジワインの人気に火がついたと言われています。

クヴェグリって何?

クヴェグリは、窯で焼き上げられた素焼きの壺/甕で、ワインを発酵・醸造する際に使われます。

もともとはジョージアで主に使われていましたが、現在はジョージア以外の一部の生産者の間でも使われるなど、一定の人気があります。

クヴェヴリを用いたワイン造りは、2013年にユネスコ無形文化遺産にも登録されているんですよ!

オレンジワインが主に造られている地域

オレンジワインは今や各国で作られていますが、特に多く作られているのがイタリア、ジョージア、スロベニアです。

ピノ
ピノ

実は日本でも作られているんですよ!

イタリア

イタリアで主にオレンジワインが盛んに作られているのは、北東部にあるフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州です。

この地域では、フリウラーノ、リボッラ・ジャッラ、ピノ グリージョといった地域特有の土着品種を使ったオレンジワインを楽しむことができますよ!

1997年に初めてオレンジワインを試みたワインメーカーのヨスコ・グラヴナーによってイタリアで普及したと言われています。

スロベニア

スロベニアというと、ワイン通でもなかなか飲む機会の少ない地域の一つですよね。

でも、スロベニアの緯度はフランスのボルドー地方とほぼ同じ北緯45度に位置し、ブドウ栽培において地理的に恵まれた地域なんです。

イタリアのフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の国境を越えたところにあるスロベニアのゴリシュカ・ブルダは、オレンジワイン造りにおいて長い歴史を持つ地域。

ローズマリー、月桂樹の葉、セージなどのハーブを燻して消毒した樽を使用し、自然な方法で作られています。

ジョージア

発祥の地と言われるジョージアは、やはりオレンジワインを切り離せません。

今でもクヴェグリで発酵・醸造してワイン作りをする生産者も少なくありません。

ジョージア産のオレンジワインはルカツィテリと呼ばれる土着品種で作られることも多く、深い赤オレンジ色のワインを生産することでも知られています。

オレンジワインが人気の理由

オレンジワインが人気の理由はただ外観が美しいというだけではありません。

少し古い記事にはなりますが、ワインレポート「2019年の世界のワイン産業 注目すべき10のトレンド」においても、オレンジワインがワインのジャンルとして定着へしつつあるという内容を紹介しています。

人気の理由①:複雑な風味とテクスチャ

オレンジワインは、その製造過程により、白ワインよりも複雑な風味とより豊かなテクスチャを持ちます。

これにより、白ワインや赤ワインとは違う新しい味わいを体験できることが、人気の一つとして挙げられます。

人気の理由②:ナチュラルワインの影響

昨今健康志向や環境問題の背景からナチュラルワインの人気がますます高まっていますが、オレンジワインもナチュラルワインのカテゴリーに含まれることから、注目を集めています。

というのも、オレンジワインは白ぶどうを使いながらも皮や種ごと醸すためワインの中にタンニンが含まれます。これにより、添加物の少ない製造が可能となるのです。

ナチュラルワインは、より自然で持続可能なワイン製造を求める消費者の間で人気が高まっています。

人気の理由③:食事との相性

オレンジワインは白ワインと赤ワインの良い要素を兼ね備えるだけでなく、その独特な風味を持つことから幅広い料理とのペアリングが可能です。

特に、スパイシーな料理や伝統的な白ワインや赤ワインでは合わせにくい料理との相性も比較的良いとされています。

ピノ
ピノ

魚のカルパッチョでも、脂ののった刺身や炙ったものなどにはオレンジワインが合いますよ!

一度は飲むべきオレンジワイン

今やオレンジワインは世界中の多くの地域で作られていますが、イタリア、オーストリア、スロヴェニア、ジョージア、フランスなどでより盛んにワイン作りが行われています。

ここではおすすめワインをご紹介します!

アランサットビアンコ・トレベツダミアングラウエ・フライハイト
スタイル辛口辛口辛口辛口
価格
(5,000円を⭐️3として評価)
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

アランサット

アランサットのオレンジワインはスーパーでも見かけることが増えてきました。

1000円台とは思えないクオリティの高さで、デイリーワイン用のオレンジワインを探すのであればこちらが良いかと。

40日間とやや長めのスキンコンタクトによってしっかり色味とタンニンを抽出しています。

ピノ
ピノ

黄桃やオレンジの皮、アプリコットのアロマが主体で、人によっては少しタンニンを強く、また全体的な味わいが薄いと感じるかもしれません。

アランサットのオレンジワインを見る

ビアンコ・トレベツ

イタリアのフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州を代表するオーガニックワインの人気生産者が手がける代表作。

初めてアカデミー・デュ・ヴァンの懇親会の時に飲んで感動したのが、ビアンコ・トレベツでした。

周りの人も何人も感動していて、その後何度もワイン会で飲んでいるくらい、ワイン通では有名な一本です。

乾いたオレンジピールと紅茶のようなアロマにキュッとしたタンニン、そしてしっかりとしたボディ。

余韻も程よくの見応えがあって、個人的にオレンジワインのトップ3に入るくらい好きなワインです。

ビアンコ・トレベツのオレンジワインを見る

ダミアン

銀座のレストランで飲んで、夫と一緒に「お〜」と唸ったのがダミアンのオレンジワイン。

除梗して果皮・種子と共に3 カ月、圧搾後、大樽にて36か月、瓶内にて18か月の熟成と、長い年月をかけて造られています。

しっかりしたオレンジ色の外観と、テクスチャー。オレンジピールや紅茶に加えてブランデーや紹興酒のような風味も。

余韻も長くて、ゆっくり味わいたい一本です。

ダミアンのオレンジワインを見る

グラウエ・フライハイト

2017年ヴィンテージが世界で最も権威のあるワイン誌デキャンタのオレンジワイン特集にて最高得点95点を獲得し第一位に輝いたオレンジワイン。

熟成にはアンフォラを使用し、無濾過・無清澄、SO2無添加といったまさにナチュラルワインの代表的な醸造スタイルを実践しているワインです。

熟したオレンジ、グレープフルーツ、ホワイトチェリーなどのフレッシュかつ甘やかなアロマに、ホワイトペッパー、カルダモン、ジャスミン、紅茶、フリント等の様々なニュアンスがグラスを回す度に広がる贅沢な一本。

グラウエ・フライハイトのオレンジワインを見る

オレンジワインまとめ

オレンジワインってやはり独特な味わいだからこそ、深みにハマってしまう不思議なカテゴリーだなとつくづく感じます。

また、ワイン会に持って行くと結構な確率で盛り上がります。

ぜひ一度味わいを楽しんでみてくださいね!

読まれています!

1

年間300種類以上のワインを飲んでいた筆者が、「ここは何度もリピしていて本当にすすめたい!」と思うワインショップを厳選して12選紹介します。

2

ワイン資格といえば、日本では圧倒的に「ソムリエ」や「ワインエキスパート」が有名ですよね。 でも、実は今WSETというワイン資格が日本で人気が急上昇しているんです。 数年前までは「WSET」と言っても何 ...

3

先日、キャンティ・クラシコにて11のサブリージョンが導入されたという、大きなニュースがありました。 これにより、グラン・セレツィオーネに11の村名がUGA(Unita Geografiche Aggi ...

4

以前極上の甘口ワイン、「貴腐ワイン」とは?では、シャトーディケムで有名な貴腐ワインの作り方について紹介しました。 でも甘口ワインには貴腐(Noble Rot)以外にも様々な手法で作られる甘口ワインがあ ...

5

ワイン本といっても入門書から専門書まで様々ありますよね。本記事では100冊近くワイン本を読んできた中からテーマ別に23冊を厳選。入門書からワイン試験まで対応できる本をまとめました!

-白ワイン
-