今日の1本

世界で活躍する日本人のワイン醸造家

2020年10月4日

ここ数年、日本ワインの注目度が非常に高まっていますが、海外で活躍する日本人ワイン生産者も増えてきています。
今日は注目の日本人ワイン生産者をご紹介します。

フランス

ルーデュモン 仲田晃司氏

ブルゴーニュの神様と言われたアンリ・ジャイエに認められた仲田晃司氏。本ブログの中でもいくつか仲田氏のワインをご紹介しました。
仲田氏は、大学生時代にアルバイト先のフレンチレストランでワインに出会い、「いつか自分の手でワインを造ってみたい」という思いから1995年にフランスへ渡ります。その後フランス語を勉強しながら各地の醸造家で修行を重ね、1999年ヴィンテージから委託生産や瓶買いをスタートし、2000年にニュイ・サン・ジョルジュにワイナリーを設立しました。さらに、2003年にはジュヴレ・シャンベルタンに自社の醸造所を開設、2008年には自社畑を手に入れるなど、非常に活躍されています。彼は自分でぶどうから育てワインを造るだけでなく、ネゴシアン(農家からぶどうを買い入れ、醸造して販売する)も行なっています。ネゴシアンとして販売しているレア・セレクションは、古酒が多いですが、このヴィンテージのブルゴーニュをこの価格で飲めるの?と驚くほどリーズナブルのものも販売されています。古酒を楽しみたい方にもぜひオススメです。

アメリカ

アキコ・フリーマン

ケン・フリーマンと六本木出身で奥様のアキコさんによって2001年に設立されたワイナリーです。まだ二人が出会って間もない頃に、シャルドネとピノ・ノワール好きをきっかけに意気投合し、自分たちでワインを造ることを夢見たそうです。
世界に匹敵するワイナリー設立の実現のために二人が選んだのはカリフォルニアのソノマ・ヴァレー。ソノマ・ヴァレーは、南にあるサン・パブロ湾から流れ込む霧の影響により、冬は暖かく、夏は涼しいのが特徴です。また、太平洋から来る湿った冷たい空気は、ソノマ山に遮られるので、雨も比較的少なく、安定した気候と言われています。そのため、その地域で育つブドウはゆっくりと成熟することができ、フレッシュな酸と、ピュアで豊かなフレーヴァーが育つのです。彼らのワインが大きく注目されることになったのは、2015年4月に安倍元首相を招いて行われたバラク・オバマ元大統領のホワイトハウス公式晩餐会です。そこで2013年ヴィンテージのシャルドネが供され、一躍脚光を浴びることになりました。彼らの造るピノ・ノワールはだしを思わせるような風味も感じられ、和食にも比較的合わせやすい印象です。

ケンゾー エステイト 辻本憲三

ゲーム会社の株式会社カプコンの創業者、辻本憲三氏がナパに所有するのがこのKENZO ESTATEワイナリーです。アミューズメントパークのために購入したナパの土地を、なんと辻本氏が個人で買い取り、ワイン造りをスタートさせたのです。また、辻本氏は畑作りからこだわり、一流のワインコンサルティングの方のアドバイスのもと、全ての木を引き抜き、畑の地盤を整えることでぶどう栽培環境を整え、そこにカベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フラン、メルローなどを植えたそうです。ケンゾーエステートのラインナップは、8種類、2020年はこの年限定で「深穏」という赤ワインがリリースされています。
生産量が限られているため、お値段は高めですが、いつ飲んでも深い感動を味わえる、それがKENZO ESTATEのワインです。

ニュージーランド

コヤマ・ワインズ 小山竜宇

ワインを造りたいという想いから2003年にニュージーランドに渡り、国立リンカーン大学でブドウ栽培とワイン醸造を学び、マウントフォード社等をはじめとするワイナリーで修行を経て2009にコヤマ・ワインを設立されました。ワイナリーがあるのは、近年ワインの品質の高さが注目される「ワイパラ」。乾燥した南風が吹く冷涼なワイン地域で、降雨量は少なく、穏やかな日照が長く続くのでワイン栽培に適した地域なのです。コヤマ・ワインズのリースリングを初めて飲んだ時、貴腐ワインのような黄金の外観とバランスの取れた酸と甘味の味わいに、こんなに美味しいワインを日本人が海外で造っているなんてと感動しました。ピノ・ノワールやスパークリングワインも非常に高品質で一度は飲んでいただきたい造り手さんです。

クスダ・ワインズ 楠田浩之

醸造家を志したきっかけは、ワインがお好きだったお兄様の楠田卓也さんに勧められて飲み始めたそうで、2001年にニュージーランドのマーティンボロでワイナリーを設立されました。2003年にワイナートのワイン・オブ・ザ・イヤーで世界中から選ばれた、20本の中の1本に選ばれたことをきっかけに人気が爆発、日本でもなかなか手に入らないくらい人気を博しています。

今後の活躍への期待を込めて、是非一度飲んでみてはいかがでしょうか。

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