昨日、Berry Bros. & Ruddが開催するガズボーンウェビナーに参加しました。イングリッシュスパークリング、今すごく人気ですよね!そんなイングリッシュスパークリングを代表するワイナリーの一つがこのガズボーンです。
ガズボーンとは
ガズボーンは、イギリスの南東部ケント州を代表するイングリッシュスパークリングワインの生産者です。ガズボーンの起源は、1410年に当時この地域の貴族であったドゥ・グースボーン家が所有していた時代まで遡りますが、ぶどう栽培を始めたのは2004年と比較的最近なのです。ファーストヴィンテージとなる2006年ヴィンテージは2010年に初めて発売されました。
ケント州の気候について
ケント州はイングランドの庭園とも呼ばれており、古くからビール用のホップやいちご、チェリーが育てられている地域でした。その理由は、ケント州がフランスの北西部に近く、海洋性気候でイギリスの中でも特に乾燥していて暖かい地域だから。また、海が近いこともあり温度がそこまで下がらず、ぶどう栽培においても霜害になりにくいのが特徴です。
ガズボーンの特徴
イングリッシュ・スパークリングワインは、近年温暖化の影響により栽培条件が以前よりも格段に向上しました。
ガズボーンは2004年に20haの畑からワイン造りをスタートしていますが、現在は約4倍となる90haの土地でワインが造られています。急成長する同ワイナリーの取り組みについてみていきましょう!
100%自社畑のぶどうからワインを生産
ワインを作るためにぶどうを購入する生産者も多い中、ガズボーンは100%自社畑でぶどうを作っています。アップルドアという、ケント州の中でも海に近い場所に60ha、ウエスト・サセックス近郊に30haの自社畑を持ちます。メイン畑のあるケント州の畑は標高が低く、なだらかな南向き斜面一面に畑が広がります。また、土壌は熱を保ちやすい粘土質土壌ですが、下層部の土は粘土以外にチョーク、石灰岩と多様なため、これらの土壌の特徴も味わいとして表現されているそうです。
生産するのはヴィンテージワインのみ
また、他のメゾンがNVも作る中ガズボーンが生産するのははヴィンテージワインのみ。ケント州は暖かいとはいえ、他の地域と比べると緯度が高く冷涼なエリアの一つです。年によって大きく収穫量が左右されるぶどう栽培において、ヴィンテージワインのみの生産はガズボーンにとっても大きなチャレンジといえますが、毎年品質の高く安定したワインを作りながらも、その年のワインを味わいを表現することに拘っていると言います。
100以上のベースワインを組み合わせてアッサンブラージュ
ガズボーンで造るぶどう品種はシャンパーニュと同じシャルドネ、ピノノワール、ムニエの3種。収穫は手摘みで行われ、房ごとに畑で選別した高品質のぶどうのみワイナリーに運びます。その後、3種類の品種は40ものクローンに分けられます。同じ畑でも、区画によって気候・土壌のわずかな違いから多種多様なスタイルが出来上がるんですね。これらをそれぞれ醸造し、200以上のベースワインを造っていきます。ケント州とサセックスのベースワインを混ぜることでより多くのスタイルのワインを作れるようになるのです。