この記事のまとめ
宅飲みやデイリーワインをもっと気軽に選べるようになりたい初心者向け。
初心者が知っておきたい「ワインのタイプ」「味わいのタイプ」「生産されている地域」の3つのポイントと
プロが選ぶワインを紹介!
この3つ押さえれば、ワイン選びがご自身でできるようになりますよ!
はじめまして、ピノ(@pinnolog1)と申します。
2019年に世界最大の国際ワイン資格WSETのLevel2を、2020年にはLevel3を取得し、現在日本でも資格取得者が約100名ほどしかいないWSET Diplomaという資格を勉強しています。
そんな私も資格を取得するまでは独学でワインを勉強していました。
今や気軽に飲めるワインですが、どんなワインを選んだら良いの?色々あって分からない・・・。
初心者は特に、こんなお悩みを抱いている方も多いのではないでしょうか?
もちろん私もかつてはその一人でした。
お店の人に聞いても半分理解できないまま「あ、じゃあそのワインでお願いします〜」とか
私の理解って合ってるのかなぁ?
とか。
むしろ、ソムリエ・エキスパート試験くらいの知識がないとワインって楽しめないのでは・・・とさえ思っていました。
分からないことが多かったのでワイン初心者の方の気持ちがとってもよく分かります。
でも今ワインを勉強していて思うことは、普段楽しく飲む上では最低限の基礎知識だけで十分。
ワイン初心者でもポイントさえ知っておけば、ワイン選びの幅がもっと広がります!
この記事では初心者がワインを選ぶ上で最低限身につけたい基礎知識と、おすすめワインを紹介します!
初心者が覚えておきたいワインのタイプ5種類
お店でワインが売られている棚を思い出してください。それぞれタイプ別に陳列されているのを一度は皆さん目にしているかと思います。
ワインは大きく分けて「スパークリングワイン」「白ワイン」「赤ワイン」「ロゼワイン」「オレンジワイン」と、5つのタイプがあります。
乾杯にピッタリ!「スパークリングワイン」
スパークリングワインのスパークリングとは、「泡」のこと。
食前や乾杯時、お祝いの時などに飲まれる、発泡性ワインを指します。
スパークリングワインは世界で大人気のワインで、3大スパークリングと言われる「シャンパーニュ」「プロセッコ」「カヴァ」があります。
3大スパークリングワインは全て発泡性ですが、作られている地域が異なります。
- シャンパーニュ:フランスのシャンパーニュ地方
- プロセッコ:イタリア
- カヴァ:スペイン
需要が多いため、スパークリングワインは世界中で造られている大人気のワインです。
ただし、イタリア作られているスパークリングワインをシャンパーニュとは言いませんし(名乗れない)、アメリカで作られているスパークリングワインもプロセッコとは言いません。
上記のように個別の呼び名があるもの以外は基本的にスパークリングワインと呼びます。
また、価格帯もさまざまです。シャンパーニュは特に高級で、最低でも6000-7000円くらいはします。
一方でプロセッコやカヴァは1000-3000円台の価格帯のワインが多く、デイリーワインとして世界中で楽しまれています。
ポイント
- スパークリングワインには大きく「シャンパーニュ」「プロセッコ」「カヴァ」がある
- 価格帯は1000円台から1万円以上までさまざま
- スパークリングワインにも地域によって様々な呼び方と味わいのタイプがあるが、初心者は上記の3大スパークリングだけ押さえればOK
前菜や魚料理と合わせやすい「白ワイン」
レストランなどに行くと、スパークリングワインの次に出てくるのが白ワインです。
赤ワインと比べてサラダや魚料理など、食事の前半に出てくる料理と合わせやすいのがポイントです。
白ワインの原料となる白ぶどうは、果皮がマスカットのように色が白く、「シャルドネ」「ソーヴィニヨン・ブラン」「リースリング」品種を使った白ワインが世界で特に多く造られています。
ポイント
- スパークリングワインの次に飲まれることが多いのが白ワイン
- 押さえればOKな品種は「シャルドネ」「ソーヴィニヨン・ブラン」「リースリング」の3つ
- サラダや魚料理など、前菜と合わせやすい
お肉料理や色の濃い料理との相性抜群「赤ワイン」
フランス料理やイタリアンだとメイン料理に合わせて選ばれることが多いのが赤ワイン。
レストランではメイン料理のお肉やトマトソースと合わせて飲まれることが多く、スパークリングワイン、白ワインの次に出てくることが多いです。
赤ワインでは「カベルネ・ソーヴィニョン」「ピノ・ノワール」「メルロー」を押さえられればOKです!
ポイント
- レストランではスパークリングワイン、白ワインの次に出てくることが多い
- 肉料理、トマトソースなどと相性Good
- 押さえるべき品種は「カベルネ・ソーヴィニョン」「ピノ・ノワール」「メルロー」の3つ
どんな料理にも合わせやすい「ロゼワイン」
ここからはオプションとして覚えておけば大丈夫!なワインのタイプを紹介します。
初心者の皆さんは、覚えられなくてもOKです!
ロゼワインはピンク色の色味をしたワインです。
特に近年はアメリカで空前のブームとなっています。
その理由は食事との合わせやすさ!魚・肉料理はもちろん、中華料理やエスニック料理など、比較的どんな料理とも合わせやすいのがポイント!
価格帯も1000-3000円前後とデイリーワインとして手が届きやすいのも人気を後押ししている理由と言えます。
ポイント
- ピンク色の外観のワイン、ロゼワイン
- 比較的どんな食事とも合わせやすい
- 価格帯は1000-3000円くらいの手が届く値段が多い
今世界で大注目「オレンジワイン」
濃いオレンジ色の外観のワインがオレンジワイン。
白ぶどうをベースに造られています。通常白ワインは、ぶどうを収穫した後に、すぐ圧搾(ぶどうを潰す)するんですね。なので果皮の色味がほとんどつきません。
一方で、オレンジワインは、白ぶどうを収穫した後に短期間、赤ワインと同じように果皮をぶどうと一緒に漬け込んで色味を抽出するのです。
このような醸造の違いによりオレンジ色のワインが出来上がります。
以前はタンニン(渋み)が印象的なワインが多かったものの、近年ではレストランで提供されるお店も増えてくるなど、注目度が高まっています。
また、アルコール度数が軽くタンニン少なめのワインも出てきています。
一方で、まだまだ世界的な生産量としては少ないので、初心者はスパークリング、白ワイン、赤ワインを楽しんでから飲んでも全然OKだと個人的には思っています。
あくまでも、スタイルの一つとして頭の隅に置いておいてもらえると嬉しいです。
ポイント
- オレンジ色の外観をしているのがオレンジワイン
- タンニン多めの白ワインで、近年注目度の高くなっているワインスタイルの一つ
- 市場的には小さく、現時点では覚えておいてOKなレベル(参考程度)
初心者でも理解できる!ワインの味わいのタイプ
ここまで、5つのスタイルのワインを紹介しました。
でも皆さん気付きませんか?
「えーー味わいって全部一緒なの?」
「フルボディとか、ミディアムボディって聞いたことあるけど???」
この章ではざっくり味わいのタイプを3つに分類しました。
「ライトボディ」「ミディアムボディ」「フルボディ」≠「軽い」「中程度」「重い」
ボディとは、ワインの味わい深さを表現するもの。じゃあ何を持ってボディを表すのかと言うことですが、アルコール度数やタンニンがひとつの目安となります。
WSETではアルコール度数やタンニンを細かく5段階で分けていますが、初心者はこの3つ押さえればOK!
この3つだけ押さえれば大丈夫、では解説していきましょう!
軽い味わい「ライトボディ」
ライトボディのライトとは「軽い」と言う意味。基本的にはアルコール度数が低く、タンニンも少ないワインを指します。
一概に言えませんがアルコール度数が11-12%くらいのワインを一つの目安としてください。
味わいとしては、口当たりが軽く、ワインの色味も淡いものが多いのが特徴です。
ポイント
- 一般的にアルコール度数が低く、タンニンも少ない
- アルコール度数11-12%くらいを一つの目安に
- 口当たりが軽く、ワインの色味も淡いものが多い
程よいボリューム感「ミディアムボディ」
中間を意味するミディアム。
その名の通り、アルコール度数やタンニンの程度もの中程度のワインをミディアムボディと指します。
アルコール度数はおおよそ13%程度。
味わいとしては、程よいアルコール感とタンニンが感じられるのが特徴です。
ポイント
- 一般的にアルコール度数、タンニンともに中程度のワイン
- アルコール度数はおおよそ13%程度
- 程よいアルコール感とタンニンが感じられ、外観もライトボディと比較すると全体的に濃い傾向
凝縮感、ボリューム感がたっぷり「フルボディ」
「たくさんの」「いっぱい」を意味する「Full(フル)」。
アルコール度数が高く、「しっかり」「どっしり」といった表現がぴったりなワインです。
フルボディのワインはタンニンのレベルは中程度前後のものが多く、13.5%以上のアルコール度数はフルボディワインと言えるでしょう。
骨格や凝縮感のしっかりしたワイン、味付けの濃いワインと合わせるには良いスタイルのワインです。
ポイント
- アルコール度数はおおよそ13.5%以上
- 格や凝縮感のしっかりとした味わい
- 味の濃い料理や、脂身の多いステーキなどと合わせるとGood
ワイン初心者でも分かりやすい!生産されている地域をチェックしよう
現在、ワインは世界中の様々な地域で造られています。それゆえに造られているワインのスタイルも様々。
ここでは、「ワイン生産量が多い地域」「代表品種が多く生産されている地域」という2つの観点から紹介します。
世界のワイン生産量TOP3
まずは2020年のワイン生産量トップ3を見てみましょう。
2020年ワイン生産量はこちら
1位:イタリア
2位:フランス
3位:スペイン
これらのヨーロッパの国のワインは古くからワイン産地として発展してきた国。
生産量と比例して、ワインショップでもこれらの国のワインが数多く販売されているケースが多いのが印象的です。まずこれらの地域を押さえておけば大丈夫です。
一方で合わせておきたいポイントとしては「土着品種」。
土着品種とは、その土地で造られたオリジナルのぶどう品種でイタリアやスペインは土着品種が多い国の一つです。
なので、この国の中から飲み始めるのであればフランスワインをおすすめします。
フランスワインは前述した白ワイン・赤ワイン代表3品種全てが栽培されている代表的な国の一つ。
価格帯のバラエティもさまざまなので予算に合わせて選ぶことができますよ!
ポイント
- 生産量の多い地域は品揃えも豊富
- イタリアやスペインは土着品種が多いので頭の隅に入れておこう
- 代表的なワインのぶどう品種はフランスが網羅。
代表品種が生産されている地域TOP3
記事の前半では白ワイン・黒ワインの代表品種をそれぞれ3種類紹介しました。
メモ
白ワイン:「シャルドネ」「ソーヴィニヨン・ブラン」「リースリング」
赤ワイン:「カベルネ・ソーヴィニョン」「ピノ・ノワール」「メルロー」
これらの品種が多く栽培されている地域はこちら
- フランス
- アメリカ
- オーストラリア
3カ国の中だと、オーストラリアが平均単価が一番低い印象です(個人的な意見)。
ぶどう品種の価格帯で見ると、リースリングやピノ・ノワールはやや高め(3000円以上)。
デイリーワインを見つけるなら、幅広い地域で生産されている「シャルドネ」「ソーヴィニヨン・ブラン」「カベルネ・ソーヴィニョン」「メルロー」から選ぶと良いでしょう!
ポイント
- 白ワイン・赤ワインの代表的な産地トップ3は「フランス」「アメリカ」「オーストラリア」
- その中でも価格帯が安いワインが多いのはオーストラリア
- リースリングやピノ・ノワールはやや高めなので、1000円台で見つけるならシャルドネ」「ソーヴィニヨン・ブラン」「カベルネ・ソーヴィニョン」「メルロー」がおすすめ。
【厳選】初心者におすすめ入門ワイン!
ここまで「ワインのタイプ」「ワインの味わいのタイプ」「生産地域」について紹介しました。
ここでは、紹介したタイプと地域の中からワインのスタイルに合わせて3種類ずつ紹介します!(ロゼとオレンジワインは合わせて2種類)
スパークリングワイン
カヴァ
ワインのタイプカヴァ(スパークリングワイン)味わいのタイプライト〜ミディアムボディ生産されている地域スペイン
スペインの2大カヴァ生産者の中の一社であるフレシネ。アルコール度数は12%
弾けるような泡立ちと、レモン、ライム、シトラスのような爽快感のあるシャープな酸味が特徴です。
プロセッコ
ワインのタイププロセッコ(スパークリングワイン)味わいのタイプライト〜ミディアムボディ生産されている地域イタリア
150年以上の歴史を持つイタリアンスパークリングワインの有名生産者、マルティーニ。
ライム、青リンゴ、洋梨、メロンのフレッシュな果実味を楽しめる辛口スパークリングワインです。
シャンパーニュ
ワインのタイプシャンパーニュ(スパークリングワイン)味わいのタイプミディアムボディ生産されている地域シャンパーニュ(フランス)
誰もが一度は聞いたことがあるだろう、モエ・エ・シャンドン。
LVHMが経営しているメゾンです。
自社畑を多く所有しており、そこで収穫された上質なぶどうと長年のノウハウを使って、品質の高い、安定したワインを作り続けてきました。
洋梨、白桃、アプリコットの柔らかなアロマときめ細やかな泡立ち。世界中で長年飲み継がれている代表的なシャンパーニュです。
白ワイン
シャルドネ
品種シャルドネ味わいのタイプミディアムボディ生産されている地域フランス
生産者のルイ・ジャドは、ロマネコンティで有名なブルゴーニュ地方を代表する有名大手生産者。
グレープフルーツ、洋梨、青リンゴのアロマとまろやかな口当たり。
高いものだと1万円以上しますが、この値段で日頃気軽に飲めるのが嬉しいです。
ソーヴィニヨン・ブラン
ワインのタイプソーヴィニヨン・ブラン味わいのタイプミディアムボディ生産されている地域ニュージーランド
ニュージーランドはソーヴィニヨン・ブランを生産する代表国の一つ。
他の地域と比較して総体的に安くて品質の高いワインが購入出来るのも大きなポイントです。
ソーヴィニヨン・ブラン特有のレモン、シトラス、ハーブのような香りと、凝縮感ある味わい。そしてキュッと引き締まった酸味のバランスが取れたコスパ高いワインです。
リースリング
品種リースリング味わいのタイプミディアムボディ生産されている地域オーストラリア
世界83か国で展開し、過去には世界のベストワイナリー100で1位の受賞歴のあるオーストラリアを代表するワイナリー。
ライム、レモン、ミネラル感と引き締まった酸味のワインです。
一概には言えませんが、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランと比べてリースリングは全体的に線の細い味わいのワインが多いです。
赤ワイン
カベルネ・ソーヴィニヨン
品種カベルネ・ソーヴィニヨン味わいのタイプミディアムボディ生産されている地域アメリカ
130年以上の歴史を持つカリフォルニアを代表する大手ワイナリー。
過去にはワインスペクテーター」誌の“ワイン・オブ・ザ・イヤー”に選ばれたことも。
ブルーベリー、ブラックベリー、ブラックチェリーの凝縮されたアロマと程よいタンニン(渋み)。口の中で滑らかにワインが広がります。
ピノ・ノワール
品種ピノ・ノワール味わいのタイプミディアムボディ生産されている地域ニュージーランド
ロマネ・コンティの品種とも言える、高貴な黒ぶどう品種、ピノ・ノワール。
暑すぎても、寒すぎても育たず、また他の品種と比べて栽培が難しいとされることから、価格帯は他の品種と比べて割高です。
でも飲んだら分かります、そのエレガントさに。
フランスのブルゴーニュはピノノワールの世界的名産地ですが、価格が高いので、今回はピノ・ノワールの代表産地の一つであるニュージーランドのSIRENIを選びました。
SILENIは、日本に輸入されているニュージーランドワインの中で、2019年に輸入量No.1を獲得した実績派ワイナリー。
ラズベリー、ブラックチェリー、すみれといった柔らかくピュアな味わいと軽やかなタンニン(渋み)。非常にエレガントに仕上がっています。
3000円以下のピノ・ノワールはジャムっぽかったり、水っぽかったりと正直ハズレも多いのですが、SILENIは私自身何度もリピートしているワインの一つです。
メルロー
品種メルロー味わいのタイプミディアムボディ生産されている地域オーストラリア
シルクのような滑らかくて優しい味わいが特徴的なメルロー。エレガントさや、ワイン全体のバランスを整えるために、凝縮感やタンニンの強いワインにブレンドされることもあるぶどう品種です。
コンチャ・イ・トロは130年以上の歴史を持つチリ大手のワイナリー。
その昔、貯蔵していたワインがあまりにも美味しく、盗みが絶えなかったことから創立者が『この蔵には悪魔が棲んでいる』という噂を流してワインを守ったというエピソードから、このワインに名前が付けられたと言われています。
ブラックベリーやブルーベリー、ブラックチェリーの豊かな風味と滑らか喉越し。タンニンもまろやかで非常に飲みやすいです。
ロゼワイン・オレンジワイン
ロゼワイン
ワインのタイプロゼワイン味わいのタイプミディアムボディ生産されている地域フランス
世界30社以上の航空会社のメニューに採用された実績があるドメーヌ、「ラブレ・ロワ」。
ロゼワインは甘口スタイルも多いので、お店やレストランで購入するときにはチェックしてみてくださいね。
今回選んだのは、お料理とも合わせやすい辛口ワイン。ほのかな甘味と柔らかな赤果実のアロマがありますが、後味はフレッシュ。天ぷらや魚料理とも合わせやすいです。
オレンジワイン
ワインのタイプ | オレンジワイン |
味わいのタイプ | ミディアムボディ |
生産されている地域 | イタリア |
イタリアのフリウリ=ヴェネツィア・ジュリアという白ワインの銘醸地で、造られるオレンジワイン。
世界的にはまだ生産量が少なく、日本に出回っているオレンジワインも2000円から3000円台の価格帯のワインが多いです。
熟したアプリコットや黄桃、オレンジの皮のアロマを感じつつもフルーティで丸みのある口当たり。
オレンジワインはワインを作る工程で果皮を漬けるのでタンニンが少なからず出るのですが、このワインはクセがないので非常に飲みやすいです。
【番外編】
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