スパークリングワインを選ぶ時、ついついブランドや価格、味わいで選びがちですが、スパークリングワインにも実は度数の低いものがあるのはご存知ですか?
アルコールに強くないので低い度数のスパークリングワインが飲みたい
スパークリングが飲みたいけど、最近飲みすぎているので、今日はアルコール度数の低いスパークリングワインが飲みたいけど、どんなものがあるの?
この記事では、こんな疑問やリクエストにお答えします!
はじめに:スパークリングワインとは
スパークリングワインは、炭酸ガスによる泡が特徴的なワインです。
この泡は自然な発酵過程で生じる二酸化炭素がワインに溶け込むことにより形成されます。
スパークリングワインは、製造方法や産地、使用されるぶどう品種によって多様なスタイルが存在しますが、共通しているのは、口当たりの軽やかさと爽快感をもたらす泡立ちです。
また、イタリアやオーストラリアといった地域では赤ワインタイプのスパークリングワインも生産していますが、白またはロゼのスパークリングワインが一般的です。
「スパークリングワインにも地域によって呼び方が違ったり、甘口や赤の発泡性ワインもあると聞きました。どんな種類があるのか詳しく知りたいです」
今日は世界のスパークリングワインについて解説します。
色々ある!スパークリングワインの種類
スパークリングワインとは、発泡性ワインのことを指します。
スティルワインと同様世界中で造られており、シャンパーニュ以外は基本的にスパークリングワインと言いますが、地域によってスパークリングワインの呼び方が異なります。
【フランス】シャンパーニュ
世界中から愛される発泡性ワインの代表といえば「シャンパーニュ」。
実は、シャンパーニュはシャンパーニュ地方で作られたスパークリングワインしかこのように呼ぶことができません。
加えて、シャンパーニュと呼べるのは「白」か「ロゼ」の発泡性ワインのみで、赤の発泡性ワインはシャンパーニュとして認められていないのです。
(そもそも赤ワインのスパークリングワインは市場に出回っているのは限りなく少量です)シャンパンは瓶内二次発酵方式という製法で作られ、最低でも15ヶ月以上、ヴィンテージ・シャンパーニュでは36ヶ月以上熟成しなければなりません。
シャンパーニュの値段が高い理由の一つのは、このように生産者が時間と手間をかけて作っているから。
でも逆に言うと、時間と手間がかけられて造られているからこそ、味わいの複雑さと滑らかなテクスチャーが生まれ、より美味しいシャンパーニュになるのです。
ちなみに、シャンパーニュはお祝いの席で飲まれたり、プレゼントに選ばれることが多いですが、その理由は長い間載冠式の祝宴で飲まれることが多かったから。今でもその伝統が受け継がれているのですね。
【フランス】クレマン
フランス内で瓶内二次発酵方式で生産されている発泡性ワインに、クレマン・ダルザス、クレマン・ド・ブルゴーニュ、クレマン・ド・ロワールがあります。
見てのとおり、クレマンの後に地域名がついているので、何となくでもどのあたりで生産されているのか分かるのではないでしょうか。
それぞれシャンパーニュと同じ製法(瓶内二次発酵方式)で造られており、最低でも9ヶ月間、澱とと接触した状態で熟成をしなければなりません。
品質は非常に高いものの、お値段はシャンパーニュの半分程度。
3000-4000円くらいのフランスのスパークリングワインが飲みたい時に、是非クレマンを選んではいかがでしょうか。
イタリアのスパークリングワイン:プロセッコ
プロセッコは、シャンパンやカヴァと並ぶ世界の3大スパークリングワインのひとつで、日本でもとても人気があるイタリアのスパークリングワインです。
ぶどうはグレラを主体とした土着品種が使われています。
中程度の酸味と、青りんごや洋梨のようなフレッシュな香りを持ち、シャンパーニュやカバよりも糖度は高めです。
また、タンク方式と呼ばれる製造方法で造られるため、シャンパーニュやカバと比べても安価で楽しめます。
プロセッコについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
【イタリア】スプマンテ
イタリア全土で造られるスパークリングワインをスプマンテと呼びます。
Spumaとは泡を意味し、発泡ワイン全般を示す言葉として用いられます。
プロセッコと間違われる方もいらっしゃるのですが、プロセッコはヴェネト州で造られているスプマンテを指します(プロセッコだけ呼び方が例外なんですね!)。
それ以外、例えばアスティやフランチャコルタ、ランブルブスコといったイタリアのスパークリングワインは全てスプマンテです。
【イタリア】アスティ
バローロ、バルバレスコなど高級ワインを生み出すピエモンテ州で造られる甘口スパークリング、アスティ。
マスカットや白桃のようなジューシーな味わいを楽しめます。
アルコール度数も低いので、お酒やワインが苦手な方でも楽しめる一本。
1000円台前半から替えるのも嬉しいポイントの一つです。
【イタリア】ランブルブスコ
イタリア北部エミリア・ロマーニャ州で造られる赤ワインをベースとしたスパークリングワインです。
赤ワインベースのスパークリングで、甘みのあるチェリーやラズベリーをフレッシュに仕上げたような味わいが特徴です。
価格帯も低く、アルコール度数も高くないので、ワイン初心者からの人気が高いワインです。
【スペイン】カヴァ
スペインで瓶内2次発酵方式で造られる発泡性ワインはカヴァと呼ばれます。
大半が辛口なものの、酸味は穏やかなので比較的飲みやすく、愛好者も多いです。
大部分はカタルーニャ地方のぶどう栽培地で生産され、マカベオ、チャレッロ、バレリャーダ、ガルナッチャなどの品種が使われています。
最近ではシャルドネやピノ・ノワールといった品種も使用が認められるようになりました。
シャンパーニュよりやや大きめの泡がグラスの底から勢いよく泡立つ姿がたまりません。
お値段もお手頃なので、普段飲みに選ばれることが多いのも特徴です。
【ドイツ】ゼクト
スパークリングワインの一人当たりの消費量が世界一と言われるドイツ。
そのドイツで大人気を誇るのがゼクトです。
ベースとなるワインはフランスやイタリアのものを使っていますが、ドイツ国内産のベースワインから生産されるスパークリングは「ドイチャー・ゼクト」と呼ばれています。
こちらの方がちょっとお値段高めです。ドイツの冷涼な気候ならではのフレッシュな酸味と品種由来の華やかな香りが感じられます。
アルコール度数が味わいに与える影響
アルコール度数は、スパークリングワインのボディ感、口当たり、全体的な風味バランスに大きく影響します。
一般的に、アルコール度数が高いワインは、よりリッチでフルボディの特性を持ち、強い風味をより感じさせます。
一方、アルコール度数が低いワインは、軽やかでフレッシュな口当たりが特徴で、飲みやすく爽快感があります。
度数別のスパークリングワインの特徴
スパークリングワインの度数はブランドや生産者によっても違いますが、ここではアルコール度数を低・中・高の3つ分類してみます。
WSETのDiplomaでは、スパークリングワインは下記のように定義しています。
弱いアルコール度数
11%未満の弱いアルコール度数のスパークリングワインの共通点は甘口タイプということです。
これらのスパークリングワインは醸造途中で発酵を中断させることにより、甘口スタイルに仕上げています。
- アスティ
- モスカートビアンコ
- ランブルスコ
中程度のアルコール度数
多くのスパークリングワインが中程度のアルコール度数です。
スパークリングワインとして代表的なシャンパン、プロセッコ、カヴァなども大体12,13%前後が多いです。
- シャンパン
- プロセッコ
- カヴァ
- フランチャコルタ
- トレンドック
- イングリッシュスパークリングワイン
- 南アフリカのスパークリングワイン
- オーストラリアのスパークリングワイン
強いアルコール度数
スパークリングシラーズとは、オーストラリアで作られるシラーず(赤ワイン)で作られるスパークリングワインです。
中程度〜高いアルコール度数の傾向があります。
- スパークリングシラーズ
スティルワインだと平均的なアルコール度数は13.5%なので、スパークリングワインの方が低めです。
まとめ
スパークリングワインといっても様々なスタイルとアルコール度数があるので、ぜひ飲むシーンやその日の気分に合わせて選んでみてください!